2017年1月16日月曜日

フレーム買い換えまで③

■ロシアのフレームビルダー「TRITON」
廉価フレームを調べたはいいが、正直なところ不安がある
日本語でやり取りできる国内ビルダーでフレームをオーダーするのがいいのは間違いない。国内ビルダーでグイグイ刺激されたのはOGRAだ。チタン好きなら知っている人が多く、チタンビルダーのなかでも実績がある人のようでとりわけ溶接技術でずば抜けているようだ。オーダーで40万程。ぬう。または岩手のエンメアッカだ。あとはパナチタンといったところ。国内ビルダー含め、毎日毎日来る日もネット検索し、世界中のビルダーを探した。かなりの数のビルダーをみつけることができた。所在地は、もっとも多いのが、アメリカ、次いで、UK、台湾、中国、オーストラリアといったところ。アメリカはハンドメイドが盛んな国だけあってそこら中で作っている。価格はピンキリだが、USメイドで絞ると20万~が極わずかにあった。よさげな個人ビルダーに連絡をしてみたがまったく返信無し、WEB更新が2013年からとまっていることから、もしかしたら休眠状態で気が向いた時だけやるスタンスなのかもしれない。
そんな中、ロシアのビルダーであるTRITON(http://tritonbikes.com)を見つけた

シンセかよ!と思ったのは間違いないが、よくWEBを読み込んでみると、まじめに作ってそうな雰囲気。思い切ってメールしてみた。翌日にはレスをくれ、いろいろ詳細なことがわかってきた。パイプはトップチューブ、シートチューブダウンチューブは中華パイプをデフォルトで使用しており、アップチャージでデダチャイかコロンバスに変更ができるその差万円。それなりのパイプを使おうとするとやはり高くなる。中華チタンは大手のメーカーで使用しているものだという。ヘッドチューブとBBはロシア産で合わせて中華ロシアチタンといったところ。全体的にはバテッド加工はせず、ストレートゲージのみで作成するとのことだが、フレームの重量は1450g前後となかなか軽量(?)な仕上がりだ。オーダーするとなるといろいろとフレームの詳細部分がわからないところも多く、ヘッド規格なんかは乱立し過ぎていて最初さっぱりわからなかった。ロシアのビルダーは若者のようで、逆に俺よりちょうどいいの見繕ってくれそうだし、仕様のトレンドはお任せでもいいかと思った。ロシアのビルダーとは頻繁にやりとりし、ジオメトリ表や仕様一覧などを入手、いろいろと調べながら発注するつもりでジオメトリを考えたりしていた。

■急激に規格が変わりそうな雰囲気
このところ、ディスクロードがちょろちょろと出てきているのは知っていたが、規格がイマイチ定まっていなかったこともあり、まだまだ普及に時間がかかりそうだと思っていた矢先に、シマノが規格をリア142mm、径12MMのスルーアクスルに定め、本腰(デュラエース)を入れて攻勢をかけておる。影響力のあるコンポメーカーの動きだけあって今後の扇動力というか洗脳力はハンパないだろう。142mmディスクにすることでさらなる多段化のメリットとスルーアクスルによる剛性面のメリットを打ちだし、さもキャリパーは産廃であるとばかりの超マーケティングを仕掛けてくるはず。ただ実際のレースにおいて導入がこれからため、どのように舵取りをしていくかこれからのことであるものの、消費者目線からすると、現状ではトレンドが急変しそうな雰囲気がある。今後もしかするとキャリパーとディスクの供給量のバランスが一変してしまいそうな未来を考えると、普遍的なものを望む俺にとってはかなり悩ましい。現状、シマノはデュラエースをディスク規格とリム規格の2ラインで展開しており、今年にはアルテグラのモデルチェンジにあわせてシマノコンポ上位2シリーズはディスクが前面に出てきそうだ。いまこの瞬間(2017/01)ではデュラエースのみで他のシマノディスク規格はブランドを冠せず、品番のみの展開だ。
今後はレースチームから採用されなかったり業界関連団体などガチ自転車界の人たちから強烈な反発をされたりしてよっぽどディスクがコケない限りは、順当にいくとこの5年~10年くらいの間にディスクに置き換えが進むかもしれない。フレームメーカーも乗っかりだしており、2017年モデルのラインナップを見るとかなり増えてきた。特に直販戦法でシェアを伸ばしていそうなCANYONはすべてのモデルにディスクをラインナップし、フラッグシップだけにとどまらず裾野までがっちりカバーしようとかなりヤル気の様子。こうした大型の規格変更は絶好のセールスアップの機会なのでサプライヤーは絶対にコケたくないだろう。サプライヤーと競技者側の思惑が一致するとは限らないものの、わざわざこのチャンスを潰すような動きなどしないだろう。なので早々コケないのでは、と予想。
しかしそれはあくまでも予想の話であって、現時点では、ディスクロード対応のホイールは少なく、コンポーネントそのものもラインナップは限られていることから逆に選択肢が少なく、あくまでも現状はキャリパー主流。なのでこうした予想を元にシマノディスク規格でフレームを製作し、ユーザーの少なさゆえに割高なコンポーネントを使用するには少々気が早い状況にある
また、ディスクが浸透したとしても、リムブレーキ派として残る人が意外と多い可能性もある。俺はブレーキ性能云々は関係なく、主流規格を選びたいだけなので正直どっちでもいい。
それに、たとえばディスク優勢状態になり、置き換えが進みつつある過渡期の状況がおとずれたとして、産廃近しとなったホイールなどのリムブレーキ用パーツの値下がりを狙ってリムブレーキ車として満足する仕様のバイクを作ってもいい。この場合はパーツの供給レベルが下がるのは致し方ない。

サプライヤーは規格を変更し、パーツの互換性をなくす手法を用いてあの手この手で買い替え需要を喚起したいところなんだろうけど、ぽんぽんと買い換えられるものではない。荒川などを走っていると、100万はくだらなそうなバイクがごろごろしていて錯覚しそうな気分になるが、あれは、自分に投資できる人と、家族などがあったとしてもなお金があまる稼ぎが多い人だけなので間違っても錯覚してはならない。
しかし、このディスク云々の転換期は大きなものになりそうな気がする。なにせこれまで鉄板規格だったエンド幅がかわるなら確実に12S13Sと多段化するだろう。
一方でこうした先見性については、将来を見越していち早く取り入れるのがいいか判断が謎なところもある。なぜなら、必要に応じてパーツを変更しているうちにいつのまにかすべてが変わってしまったってパターンになりがちだから。


謎は深まるばかり。

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