2020年3月4日水曜日

自転車、それは贅沢な遊びだった

■RUNにスイッチした
気づけばあっという間に年が変わり、趣味丸出しのサイクルブログの更新が滞っていることに気づきました。最近乗れてね~。ロングライドいきて~。
ここらへんの趣味時間がとれない事情はみんな大小あると思いますが、自転車は調整事が多いので思い切ってRUNにスイッチしてみました。自転車は金も時間も必要な贅沢な遊びだと心から思ったさ!
乗れない悔しさもあって、基本楽しすぎて普段は見落としがちな自転車のデメリットについて今日はとことん考えてみたいと思います。


■時間が長い
まずは時間です。自転車は運動時間がランに比べて長く必要です。
1時間に収められないわけではないけれど、そこにある程度の強度を求めて短時間で終わらせるならガッツリ負荷のかけられるローラーは必須。高負荷で30分とかの短時間派の方もいるとは思いますが、個人的には実走では2時間はほしいところですね。実走距離にしてドアからドアの50kmくらい。仮にローラー専門としても50-60分は回してそのあとシャワー浴びて1回あたり最短で75分くらいは必要です。全体的にランに比べてベースの必要時間がちょっと長め。



■天候に振り回される
次になにげに振り回されるのが天候です。
ライド当日の予報が芳しくなければライド実施可否を決めるために天気予報に釘付けになります。windy等のアプリをフル活用しますが、雨雲レーダーをもってしても天気がもつかどうかを判断するのは至難の業で、ライドする判断をしたものの出発後に降られるなんてことはよくある話だと思います。基本長時間スポーツなので、半日くらいは降らない日でないと心もとないです。
また悩ましいのが、降ってないけど路面はウェット時です。路面がぬれていると、タイヤからの跳ね上げがひどいのと、ライド後のメンテが面倒なこともあって、乗らないサイクリストは多いと思われます。実走可否の判断基準としてはは7分乾きくらいかね~。
そして雨以外に行く手を阻むのが風です。軽くつくられた自転車は風の影響をモロに受けやすく、特に向かい風は体力を2~3割増しくらいで削いでいきます。ちなみにサイクリストから愛着をもった呼び名として峠に例えられる向かい風ですが、峠とはまったく異なる存在です。森林の匂いや澄んだ空気はありませんし、ヒルクラの醍醐味ともいえる達成感はゼロです。繰り返し走っているセグメントであればタイムは伸びず、往路に風で悪戦したマイナス分は復路の追い風で相殺できませんw
定量化できない風は練習としても不向きで煮ても焼いても食えず、時間により風向きが変わるため行きも帰りも向かい風とかしょっちゅうです。
絶好のサイクリング日和と思いきや強風のため窓から木の揺れを見ただけで心折れて断念とかも少なからずありました。また冬は冬で寒くて出るまでに時間がかかったりしますし、自転車はなにかと天候や季節には左右されやすいスポーツと思います。



■資金が必要
加えて人によっては特筆するくらいに機材費がかかるところ。それで本望な人が多いのでデメリットになるのかって話ですけど、カーボンハンドル3万円が3万キロ走ったら1kmあたり1円だからこれって安くねえ?ってなります。お財布事情は程度差がありすぎるのでなんともいえませんし、コストに関してはサイクリスト間でも物議をかもしたりするのでデリケートな部分ですが、個人的に思うのは、ロードバイクは安くても完成車で10万円からなのでスタートラインがすでに高めと思います。しかもその10万円の完成車は、フレーム以外のパーツ構成は、標準とみなされるサイズのパーツがアッセンブルされているものが多いです。これでどうなるかというと、スポーツバイクは体格測定に基づきその人のサイズに合ったフレームを選ぶのが原則ですが、適正サイズの中にも大きめ小さめというレンジがあります。そのレンジの中でどこがジャストでどこが好みかは本人しかわかりません。調整可能なパーツは、ステム、ハンドル、チェーンリング径、クランク長で、完成車では、これらが標準サイズに統一されているため、それが購入時点の体には合っていないことが実は多くあります。肩幅に合っていないハンドルだったり、50Tのチェーンリングが重くて回らない、クランクアームが長い短い等いろいろ発生しますが、調整範囲がミリ単位の細かい話なので真のジャストには模索が必要で、そこまで調整していくには時間もかかります。
なので、完成車を買ったとしても当初どおりのパーツ構成で完全にマッチするケースのほうが少ないと考えるほうが妥当で、購入後のパーツ交換費用はある程度発生すると考えたほうが現実的なのです。
そしてここで色気をだしてちょっとグレードアップやら周辺備品でもそろえようものならあっという間に25万くらいに達します。そしてその後もかける気になれば青天井なので、スポークまでカーボンでないと気が済まん、とかエクストリームなことを思うようになるかもしれません。
でも、いいんです。走ってさえいれば。



■乗らなくなったら?
問題は乗らなくなった時のことです。
私は乗らなくなりほぼオブジェ化しつつあるマイバイクを眺めていてあたりまえのあることにふと気づきました。
長らく自転車に付き合う秘訣としては、ロードバイクは汎用性が高いほうが身近であると。
もちろん週末専用とか、たまの休みのために気に入ったいいバイクに乗りたいとかの気持ちは十分理解できます。実際荒川を走っていると総額30万はゆうに超えているであろう高級バイクは珍しくありません。
自己満を追求し続けて1~2年もすると、気づいたらコンビニにすら置けない高級バイクが出来上がります。サイクリング帰りに寄ったファミレスの窓からその姿が確認できないものなら数十分おきに確認してしまうようにもなります。
そして残念なことに投資額に対してパイクそのもののパフォーマンスは額に見合ったものではありません。見た目は最高になりますが、ある程度のグレードからは走行性能への影響をほとんど感知できない可能性があります。

そして高額ゆえに、走るか家に保管しておくことしかできなくなったバイクのオブジェ化スピードはもはやスピードというよりはON/OFFスイッチで、汎用性が低くなるほどに用途は限定されるため、結果として自転車に触れる時間が少なくなってしまいがちです。そして接点が減るほどに興味は薄れ、だんだんと自転車で走る習慣が消えていきます。
趣味として自転車を始めてみたものの意外と面倒でやめてしまうのもなんとなく頷けます。そればかりか世の中にはいろいろな趣味対象があり、自転車から離れ、もっと自分にフィットしたものに興味をもつこともそりゃ当然と思います。



■デイリー号として蘇生
ただひとつもったいないなと思うのは、高品質なものを所持していることです。
自転車にはまり、105やアルテグラ以上が当たり前になると気づかなくなるのですが、フレームを含むパーツ類はかなりの高品質です。休日というスペシャルな時にスペシャルなバイクに乗ることで価値観にインフレが起こりその品質について麻痺してしまいますが、週末のスペシャルバイクにアッセンブルされているブレーキシューやブレーキを通勤クロスバイクなどにつけてみると驚きの精度の高さを体感できます。

なのでちょっと乗らなくなってオブジェとなるくらいならば、ダウングレードさせてデイリーユース号として余生を送ってもらうこともアリかと思います。
ロングライドできるような自転車は走行性能を保ちつつも乗り心地がよいため、キャリアとマッドガードをつけてコンポやホイールをダウングレードすればかなりいい日常バイクになるはず。デイリーユースにはデュラエースやBORAは不要ですのでそうしたものは売却することで次のユーザーに託せますしね。

かたちを変えて楽しむことに関しては自転車は向いてそうですね。