2018年3月6日火曜日

チタンフレームの感想

■チタンフレームとカーボンフレームの体感の違い
チタンフレームに乗って半年(1700km程度)がたちました。先代のミドルグレードの旧型レース向けカーボン(FOCUS)はサイズが小さいこともありただでさえ剛性が高く、それでいてかなり頑丈なつくりだったため、乗り心地はガッツリと硬く突き上げによりオシリが割れておりました。
私の中でカタいと評判のFOCUS CAYO2009
FOCUSと真逆
これを解消しようと、サドルを替えたりタイヤを替えたり試行錯誤したものの、根本的に硬いためチタン等のしなりのある素材を考えるようになった経緯もあります。
で、チタンの乗り心地はというと、エンデュランス向けにフレームオーダーし(ロングライドが苦手なためロングライドの練習をしようと)ていることもあり、素材のみの特性はわかりませんが、レーシーなカーボンに比べ対極ともいえる乗り心地になっています。
(サイズはトップチューブ510から540へ大幅に変わっています)
用途別で得意なシーンを具体的に見ていきましょう。

■得意なシーン
◎平地50km未満の高強度な中距離ライド
瞬発力を必要としないため、剛性感が必要な局面がさほどなく、乗り心地のよさが生きてきて非常に調子いいです。
ケイデンスをあげることはあっても、ググッと力いっぱい踏み込むことはないためBBの硬さも必要ありません。
また同じようにしなり等によるロス感もないので平地中距離サイクリングはかなり快適。
まあ、このくらいの距離だとオシリとか腰がつかれきるまえに終了するのでロードバイクであればすべて得意と思われますが。。。

◎平地100km中強度ロングライド
前者の延長線上ですが、ストップ&ゴーが増え、長時間ライド&省エネ走行となるため運動強度が抑えられ、よりジオメトリの特性やしなり感といったフレーム特性に頼ることとなるためしっかりとフレームの性格が見えてきます。オーダーどおり私のフレームはドンピシャのシーンです。

◎ヒルクライム100km未満獲得標高1500m以下
これも頻度高いシーンです。全力でヒルクラして帰りはのんびり帰るパターン。これもばっちりです。
カーボンに比べ剛性は少ないと感じますが不足とまではいかないのでやり切れます。

○平地&ヒルクライム合計100km~150km獲得標高1500m~2000m
私の中では完全にエクストリームロングライドなのですが、このくらいになってくると後半の疲れがハンパなく、素材どうのこうのより自転車そのものに疲れているのですが、それでもカーボンより疲れが少ないことを実感します。

◎?超長距離
ブルベ等出たことありませんが上記からするとかなり得意かもしれません。

■苦手なシーン
逆に苦手と思われるシーンを見てみましょう。

×スプリント
あからさまに苦手と思われます。とくにヘッドまわりやBBに不足を感じると思われます。
私は細身で貧弱ですがヒルクラ時にカーボンに比べ剛性の少なさを感じるので、筋肉がある人が強い力で使うと足りなくなると思われます。
昨今、剛性はカーボンの独壇場でしょう。金属チューブを太く強くしたところでカーボンのように狙った場所に剛性をつけられるわけではないので金属チューブはそもそも不利でしょう。一部に強い応力のかかるような激しい走行は苦手かと。

△ストップ&ゴー
カーボンに比べると漕ぎ出しに若干タメがあるのでこれも苦手でしょう。

×シクロクロス
短時間高強度なシクロ。タイヤの太さもあるし路面も土なのでかっちりした硬いフレームでもよさそう。むしろしなりとかあるフレームはまったく向いていなさそう。

△?グラベル
シクロと同様しなりが裏目にでそう。ただグラベルでロングライドだと意外と気にならないのかも。ちょっと想像ができませんので教えてください。

■まとめ比較
・突き上げ
カーボン>チタン

・捩れ
カーボン<チタン

・BBの硬さ
カーボン>チタン

・ヘッド周りの硬さ
カーボン>チタン

・発車時の反応性
カーボン>チタン

・加速性
カーボン>チタン

・巡行性
カーボン=チタン

・登坂性
カーボン≒チタン

・ロングライド性
カーボン<チタン

・脚にくる度
カーボン>チタン

・腰にくる度
カーボン>チタン

・上半身にくる度
カーボン≒チタン

・総合的な疲労度
カーボン>チタン

といった感じ。私はジオメトリをエンデュランスに振っただけあってフレームの硬さによる疲労感はだいぶ軽減され、その分、剛性感が少なくなっています。
これはカーボンの極太BBとかヘッド周りはほんとガチガチだったとチタンに変えてから感じるようになりました。
とくにヒルクラ時に自転車の剛性を感じますが、チューブだけでなくジオメトリとの相関関係によりバランスされるものだと思うので、素材のみによる剛性感というのは体感では正直よくわかりません。剛性感を求めるのであれば、昨今のカーボンバイクには到底かなわないと思いますし、そもそものチタンの方向性としてはエンデュランス方面のほうが得意なのではと思います。
走行性能を求めるなら最近のエンデュランスカーボンなんかはめっちゃ乗り心地がいい上に局所的な剛性もバッチリで死角なしかもしれません。ってか確実にそうだろ。
チタン等メタルフレームはロマンがあるから乗っている、
という存在なのかもしれません。